まいぷれ札幌市中央区編集部です。
令和元年(2019年)9月末に閉館し、リニューアル工事が進められていた「赤れんが庁舎(北海道庁旧本庁舎)」は、いよいよ今月25日にリニューアルオープンとなります。
重要文化財として国の指定を受け、国内外から年間60万人以上が訪れる道内有数の観光スポットでしたが、建物の内部・外部とも劣化が進んでいたことから、耐震対策を含めた改修工事が行われていました。
改修にあたっては、利用者へのアンケート調査や道内 4 ヵ所(函館、網走、旭川、札幌)での道民ワークショップ、旅行業者・宿泊業者・飲食業者・観光関連団体・文化事業・まちづくり関係団体・学識経験者・メディア関係者など各界の専門家等へのヒアリングを含めた多方面にわたる情報収集・検討が重ねられました。
その結果、「赤れんが庁舎リニューアル基本指針」として
●あらゆる人が楽しめる場
●道内各地と連携する場
●北海道ブランドを世界に向けて発信する場
という
全体の利活用コンセプトが定められ、これに沿った改修が行われました。
以下、
『赤れんが庁舎リニューアル基本指針』(2019年3月:北海道)を参考に、リニューアル後の「赤れんが庁舎」がどのようになるのかについて、その概要をご紹介します。
【1階】地域情報とにぎわいのフロア
■観光情報
ガイダンスコーナー、
シアターコーナーなどがあり、北海道各地の四季を彩る雄大な自然や温泉、豊富な食、歴史や文化、さらには、様々なアクティビティや体験メニューなど、多彩な北海道の魅力を映像や写真と音環境によって体感的に紹介します。
また
観光相談・ボランティアガイド受付コーナーでは、専門スタッフを常駐させ来訪者へ様々なアドバイスを行うほか、館内ボランティアガイドの受付も行うとのこと。
そして
各市町村紹介コーナーでは、道内179市町村の地域情報と、各地域を代表・象徴するコンテンツを展示し、それぞれの地域独自の魅力や各市町村のおすすめのアクティビティや特色あるライフスタイルなども紹介して各地域への誘客を促します。
■物販
地域の逸品コーナーでは、道内179市町村から発掘した逸品を紹介し、地域での食べ方や製造者秘話などを解説付きで提供する予定です。
催事コーナーでは、月替わり、週替わりで道内の事業者が催事出店を行います。
工芸品コーナーでは、木工芸、ガラス工芸、アイヌ工芸、織物など北海道独自の工芸品を取扱っています。
また、
授産製品コーナーでは、道内の障がいのある方々が製作する工芸品等を取扱う予定です。
このほか、赤れんが庁舎グッズや赤れんが庁舎及び北海道に関する書籍なども用意されます。
■飲食
カフェが設置されており、館内見学途中に休憩ができる場としてご利用いただけます。
また
レストランでは、北海道各地の素材を使い、地域独特の食を提供していくとともに、その地域の情報も合わせて紹介し、興味の喚起や誘客の促進につなげる予定です。
なお、重要文化財建造物の内部では直火が使用できないことから、電磁調理器等で調理可能なものを選定し、提供されます。
【2階】歴史と文化のフロア
■展示
北海道史を概観する展示。自然環境から人文科学まで、北海道に関するあらゆる事柄を時間軸に沿って、時代の変遷や歴史的トピックスを交えて解説します。
アイヌ民族の歴史と文化では、先住民族であるアイヌの人たちによって培われてきた文化を紹介しています。
また、
北海道の世界遺産、日本遺産、北海道遺産並びに重要文化財等、北海道各地の価値のある観光資源を紹介するほか、文化やスポーツ等の取組も含め、北海道全体の魅力を紹介しています。
北海道コア・ミュージアムでは、北海道内の博物館、美術館及び科学館等に関する施設の情報と各施設が保有する文化財や美術品等をダイジェストで紹介。各施設と連携し、展示コンテンツの提供や催事情報を発信します。
来訪者が展示を通じて得た感想や意見などを記録する機能を設け、「赤れんが庁舎」の運営や北海道の未来構築に役立てます。
■催事
各種レセプション、パーティー、コンサート、ウェディング、MICE(企業ミーティング、インセンティブツアーにおける研修会場、各種会議など)、芸術・芸能団体の発表会等歴史や格式を感じさせ、四季折々の前庭の眺望を楽しめる貴重な空間を有効に活用します。
【小屋裏・八角塔】
■展望
「赤れんが庁舎」の重要文化財としての価値への理解を深めるため、八角塔からの展望体験を含めた
建築観察ツアー等、アクティビティ・プログラムの実施を検討しています。
創建時の八角塔設置秘話やその後の撤去・復原の歴史、屋上バルコニーからの景色の変遷など、八角塔を通じて「赤れんが庁舎」の歴史の理解を深める展示などを行う予定です。
【地階】創造と交流のフロア
■道民活動支援
多機能の活動スペースを提供し、道民による事業構想や地域創造活動などを支援します。
道内外のクリエイターの交流、大学をはじめとした
各分野の専門家と道民の協働、
道内の企業や自治体の連携など、課題解決や新たな価値創造に向けた様々な領域・世代・立場の人々の接点を設け、
北海道の未来創造のための場を目指します。
例えば、アートやクラフトなど創作活動を行う
アトリエ。各種会議、ワークショップ及びセミナーなどの開催ができる
交流スペース。そして創作作品やワークショップの
成果等を発表するための場も設ける予定です。
■展示
北海道開拓を題材とした
所蔵絵画作品を鑑賞するスペース。あわせて、当時の時代解説や作品・作者に関連する情報を付記した
デジタルアーカイブスを設置します。
ベンチを設置し、鑑賞者が小休止できる場も設ける予定です。
また、北海道の地理的・環境的特徴等を考察しつつ、
樺太の歴史や北方領土問題等について解説します。
樺太の繁栄から引き揚げまでの経緯や、現在も未解決の北方領土問題等の資料を展示し、身近に捉えてもらい、未来へ伝える機会を提供するための場を設けます。
そして、パソコンなどを用いたデジタルコンテンツを閲覧できるコーナーも設置します。
このように、歴史的建造物・重要文化財としての「赤れんが庁舎」は、
これまでの観光資源としての価値にとどまらず、道民活動支援拠点として、また、道民はもとより国内・海外を含めた連携・交流拠点として、さらには北海道ブランドの発信拠点として明確な意図をもったリニューアルがなされました。
以上ご紹介した概要は、リニューアル前に策定された『赤れんが庁舎リニューアル基本指針』を参考として記述しておりますので、実際の細部は変更となっている部分がある可能性があることをお含みおきください。
北海道の歴史は、1869年 (明治2年)7月8日に開拓使が設置され、同年8月15日、太政官布告により「蝦夷地」を「北海道」と呼ぶことが決まった時から始まりました(「函館市/函館市地域史料アーカイブ」より)。
開拓使は1882年(明治15年)に廃止され、1886年(明治19年)に北海道庁が発足。同年に着工した道庁本庁舎 (通称・赤れんが庁舎)は、米マサチューセッツ州議事堂がモデルとされ、ネオバロック様式のレンガ造りで、レンガは、白石村 (現・札幌市白石区) などで製造され、長手と小口を交互に積む「フランス積み」で、美しい壁面を生み出しています。
1888年(明治21年)12月に完成した「赤れんが庁舎」ですが、1909年(明治42年)には火災で内部と屋根を焼失。燃え残ったれんが壁を再利用して1911年(明治44年)に復旧しましたが、外観はドイツ風ゴシックスタイルに変更されました。
1968年(昭和43年)9月2日、札幌市円山陸上競技場で天皇皇后両陛下ご臨席のもと北海道開拓100年記念式典が開催されました。
この記念事業で実施した大がかりな復原修理により、「赤れんが庁舎」は明治21年の竣工時の姿(ネオバロック様式)に戻りました。
(北海道開発局開局70年Webサイト「北海道開発のあゆみ」より)
あれから57年後の今年、外観の形状等はそのままに内部の活用を大幅に刷新し、リニューアルされました。
あなたもぜひ訪れてみてください。
北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)改修事業ポータルサイト