新型コロナウィルス感染症の位置づけが5月8日から5類へと移行し、ようやくコロナ前の状況を目指した祭りが開催できそうになってきました。このあたりの状況が実際にはどうなのか探るべく、YOSAKOIソーラン祭り組織委員会を訪ね、担当課長の横山尚子様にお話を伺ってきました。
編集部:ようやく思いっきり踊れそうな状況になってきたかと思いますが、今回の参加チーム数はどんな感じでしょうか。
横山氏:今のところ約240チームが参加予定となっています。しかしまだ完全に復旧したとはいえず、チーム数としてはコロナ禍前の85%くらいですね。
編集部:コロナ禍前を思い起こしてみると、回を重ねるに従い大勢のメンバー数で構成されたチームが増えてきたように感じていました。1チームあたりの最低人数には基準があるのでしょうか。
横山氏:必要最低人数について明記された基準はないですね。チームというからには「一人」というわけにはいきませんが、これまでには10人未満のチームが参加されたことは実際に何度かありました。
編集部:公式ホームページの開催スケジュールをみると、「U40大会」というものがありましたが。
横山氏:はい。あれは「under40:40人未満のチーム」ということで、100人といった大勢のチームでなくとも、魅力的なチームにスポットを当てようと設けてあるものです。ほかには中学生以下を対象にした「ジュニア大会」というものもあります。
編集部:海外からの参加についてはいかがですか。
横山氏:海外からは、中国(瀋陽市)チームが2000年に初参加され、以後、ほぼ毎回、海外チームの参加があります。最も多く連続で参加している台湾は、2003年からの参加でした。今回は韓国と香港から2チームの参加が予定されています。
編集部:今回は第32回のお祭りということですが、30年以上の歴史とともに踊りの傾向が変わってきたということはありますか。
横山氏:そうですね。踊りの変化としては、大賞や上位入賞チームの踊りを参考にして影響を受けている傾向はありそうですね。TVやビデオでしか観られなかった時代から、YouTubeなどの普及でいつでもどこでも観られるようになったことも影響していると思います。
編集部:踊りのレベルが上がるに従い、審査も難しくなるといったことはあるのでしょうか。
横山氏:その点については、今回から「地域貢献点」というものを導入します。YOSAKOIソーラン祭りは、「人と地域に“感動と元気”を届け、人々に愛される祭り」を目指しています。エンターテインメントとしての演舞の素晴らしさはもちろん、チームの日ごろの活動においても地域に愛され、応援されるチームであってほしい、との想いから、審査に「地域貢献点」を新設しました。
編集部:具体的には、どのようなことが評価されるのですか。
横山氏:これまでは、「祭り当日の演舞のみを審査」していましたが、これからは、「審査員による演舞評価点」+「チームの日ごろの活動による“地域貢献点”」の合計で順位が決定されます。
編集部:「チームの日ごろの活動」については、どのように把握されるのでしょうか。
横山氏:各チームからの自己申告です。しかしそれにはきちんと活動記録を提出してもらうことと、地域活動パートナーからの推薦書も提出してもらっています。
編集部:素晴らしいですね。「単に踊って楽しむ、観て楽しむ」といったことに留まらず、「日ごろから道内各地のチームが人と地域に感動と元気を届けているか、人々から愛される行動をしているか」を確認することで、真に北海道になくてはならないお祭りに昇華させようということですね。
ところで、ここに至る途中で3年以上にわたるコロナ禍があったわけですが、組織委員会としても様々なご苦労があったかと思います。そのあたりのお話をお聴かせください。
横山氏:そうですね。コロナ禍により各地のチームが活動できない期間が続き、人数が減ったり、解散せざるを得なくなったりといった状況が生じていました。組織委員会事務局としては、チームリーダーやメンバーの心が折れないようにオンラインも活用してコミュニケーションを取るよう努めてきました。
編集部:モチベーションの維持に腐心されたわけですね。
横山氏:2020年(第29回)と2021年(第30回)は中止にせざるを得ませんでしたが、昨年(第31回)は会場を減らしながらも195チームの参加で開催しました。
また、コロナ禍に対する工夫として、映像(動画)での参加枠を設けて実施しました。これには全国から49のチームがエントリーされましたが、上記チーム数(195)にはカウントしておりません。
編集部:様々な苦難に対応する中で、喜ばしいことも見つかったのではないですか。
横山氏:はい。昨年参加できなかったチームが復活したり、新しいチームが立ち上がったりと、うれしいニュースがたくさんあります。とくに今回は、道内から初参加のチームが17チームも出てきました!
編集部:参加240チーム中17チームとはすごいですね。
横山氏:また、コロナ禍とは直接関係ない話としては、YOSAKOIソーラン祭りは、屋内ではなく「街を舞台」にしていることから、地域の理解を得、支持されることに最も心を配ってきました。
地方車(じかたしゃ)や会場周辺の音響が、ただ騒音と捉えられてしまわないように、また、チームメンバーの演舞時以外での行動がマナーある態度でなされるようにと。
近年、会場周辺の人達から「マナーがよくなったね」と言われるようになったのが、とてもうれしいです。
編集部:コロナ禍を乗り越え、YOSAKOIソーラン祭りがますますバージョンアップしつつあることを強く感じました。本日はお忙しい中、ありがとうございました!
(取材日:2023年5月11日(木))
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